私の出身地はいつのまにやらいちごの名産地になっていて、いまや我が出身県の名前よりもいちごの名称の方が全国的に有名になっているくらいに成長した農産物となっている。私の子供の頃には春には幼稚園の行事でいちご畑にいちご狩りに行ったものだ。あまりはっきりした記憶ではないまでも、間違いなくいちごはハウスの中ではなく、土の上に可愛く赤くなっていた。そのいちごを摘み取って帰ったのだが、昔のいちごはミルクなしではかなり酸っぱかった記憶がある。
今や露地物のいちごなんて皆無だと思う。少なくとも市場に出回っているいちごはほぼハウス栽培で、その最盛期は昔のように5月ではなく、2月か3月ごろだと言う。クリスマスケーキを食べる習慣が日本に根付いた頃から、イチゴ農家は12月に最初のいちごが出荷できるように生産時期を合わせた為、当然のように最盛期はずれて、今や春の果物というよりも冬の果物のイメージの方が強くなっています。季節感を失ってしまったいちごではありますが、その代償として、ハウス栽培のいちごは品種改良の進化により、その実は大きく、甘く、すばらしく美味しくなりました。
その甘みと酸味のバランスも品種によって若干の違いがあり、いちごの甘みも品種によって選べるようになりました。もちろん摘みたての今のいちごにはコンデンスミルクなんて全く必要もないくらい、自力で甘さを生み出せるようになったのです。いちごの進化は私たちに美味しさをもたらしてくれています。